グッズ絵がよくてつい…
—
死体って初めて見たな。言葉の内容とは裏腹にのんびりとした声が背後から聞こえて、ユウはびくりと肩をこわばらせた──もともと硬直しているのだが。
振り向くと闇夜に男のシルエットが佇んでいた。暗い色の長めの髪に、裾の長いゆったりとした着物。使われる布の量から彼の羽振りが見て取れる。
「……死体なんか毎日見てそうな匂いしてるけど」
「ああ。生きてる死体、って意味だよ」
ひゅんとなにかが目の前を掠める。未経験ではないその感覚に、しまった、と思ったところでもう遅く、視界の一部が四角い影で埋まる。
生きてる死体を初めて見た人間がこんなに迷いなくお札を使えるはずがない。そう言おうとしても、貼られたばかりのお札のせいで声が出ない。
そんなことはおそらく織り込み済みの男がゆっくりとユウに近づいてきた。距離が縮まり、彼が思いのほか長身であることに気づく。ユウは首も動かせないから見上げることができず、男の胸のあたりへ目を向けたまま、頭の上から文字通り値踏みする目線を受け止めることしかできなかった。
「どこに売るのがいいのかなぁ」
男はまるで歌うようにそう言った。
※コメントは最大500文字、5回まで送信できます