RL後キンプリ直前くらい
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彼は星だ。見えているのに絶対に手が届かない。
「そう思っていたんだよ」
「俺が星がどうかはともかく」
この部屋にはふたりきりしかいないのに、ヒロはアイドルの時の顔で笑った。テレビや雑誌で見かけるのとまるきり同じ顔が目の前にいるというのは不思議なものだと、コウジは他人事のように思う。
「プリズムスタァだって人間だよ」
「それはそうだけど」
ヒロもコウジも同じ人間だ。同じ人間で、同じ言葉を話し、同じ舞台で同じ歌を歌う。それでもこんなにも違うものなのかと、驚くことにももう飽きた。
「でも、ヒロは星だ。他の誰とも違う……ただひとつの」
「なんだよ、それ」
ヒロは苦笑した。コウジにとっては全く笑う場面ではなく、その笑顔をうまく受け取り損ねた。
たぶんここに超えられない境界があるのだと思う。ヒロは自身の特異性を正しく認識できていない。それ自体は良いことでも悪いことでもないが、だからこそ彼は無邪気にコウジを同じステージへ引きずりあげようとする。
ヒロの立つステージは、選ばれた一握りの者だけが立てる場所なのに。
「コウジだってスタァだし、人間だ。一緒だろ」
「一緒じゃない。全然」
きっぱりと言い放つと、ヒロは笑顔のまま少し傷ついた顔をした。
「ヒロはプリズムスタァとしてしか生きられないよ」
「コウジはそうじゃないみたいな言い方だ」
「だって僕はスタァじゃない」
「俺がスタァだって、コウジが決めるなら」
ヒロがずいと身を乗り出した。整った顔が真正面から近づいて見据えてくるのは、彼が主演を務めているドラマのワンシーンにそっくりだ。
「コウジがスタァだってことは俺が決める」
ヒロの言葉はとても魅力的だった。彼に委ねてしまえばそのとおりになるような気さえした。
けれどコウジにはそれができない。ヒロは星で、星というのは手の届かないものだ。見えていても、届きそうでも、決して。
手が届かないものに全てを任せてしまえるほど、コウジは愚かにはなりきれなかったのだ。
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