熱のあと

看病後プレイ

 看病するつもりで障子を開いたら、普段通りきっちりと隊服を着込んだ土方がいた。
「総司、おはよう」
「おはようございます……もう平気なんですか?」
「ああ。お前が看てくれたおかげだな」
 珍しくふわりと笑う顔色はあかるく、声の掠れももうない。まだ隠すなら今度こそ許さない、と睨むように検分したが、嘘ではなさそうだ。
「治ったんですね?」
「そう言っているだろう」
 不思議そうに言う。ありがとう、と素直な感謝を告げられて、沖田はぷつりと何かが切り替わるのを感じた。
 食べさせるつもりで持っていた粥を卓に置き、土方に向き直る。
「もう元気なんですね」
「ああ。……なんなんださっきから」
 見下ろしてくるあおい瞳を覗き込むように近づいて、両手で頬を包む。昨日のような熱はなく、むしろ少しつめたいくらいだ。指先に力を込めると土方が顔を顰めた。
「総司」
「僕の看病のおかげだっていうならご褒美ください」
「なにを、」
 ぶつけるようにして唇を食む。目は閉じずに、驚いている土方の様子を見ながら舌を差し入れた。主導権は完全に沖田にある。土方の手が沖田の髪を混ぜるようにして掴んだが、その意図は都合のいいように解釈してやった。
「すごく心配したし、すごく欲情したんですからね」
 また体温上がっちゃうかも。嘯きながら目の前の隊服を脱がしにかかる。既に体温が上がろうとしているのは沖田のほうだ。
 挑発するように笑んでみせると土方も沖田の隊服に手をかけてくれて、沖田は脱がす動きを早めた。

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