診断メーカー「『肩甲骨にキス』をちはやのヒジソウがすると萌え。『忌々しげに』だと更に萌えです。」
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正面から重ねるだけのキスをして瞳の温度が同じであることを確認してから、沖田は土方の背後へ回った。太い首を包む襟に手をかけて、するり、浴衣を落とす。土方が袖から腕を抜いて、広い背中が晒された。
指先で、露わになった首に触れる。そこから背骨をなぞるようにしてゆっくりと撫で下ろすと、くっきりと浮き出た肩甲骨の窪みに辿り着いた。
好きな背中だ。幼い頃からずっと見てきた、大きく逞しく頼もしい背中だ。傷だらけの肌は決して滑らかなものではないが、土方が生き抜いてきた証の残る背は沖田にとってはこの世で一番美しいものだ。
けれどただひとつ、肩甲骨のそばにある傷だけは苦々しい記憶がついて回る。これだけは沖田のせいで負ったものだった。土方はお前のせいじゃないと固く否定したが、沖田がもっとうまく立ち回っていれば負わせずに済んだものだ。見た目はただの傷のひとつに過ぎず、他の人が見ても何とも思わないだろう。けれどこれは沖田の刀が血を覚えた頃に、居合わせた土方に向けられた刃を防げずにできたものだ。あの時に庇えていれば、もっと早く殺せていれば――
「……総司?」
肩甲骨に触れたままじっと動かないことを訝しむようにして土方が振り返る。傷のひとつなど本当に何とも思っていない瞳が、沖田を案じるように見た。
「どうかしたか」
「なんでもありませんよ」
上手く微笑むことができただろうか。自信がなくて顔を伏せる。
二度とこんな傷は負わせない。肩甲骨に、その上を走る傷にそっと唇を落とした。
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